きっと人はそれぞれ 自分用語を持ってると思う。
私の自分用語の代表は「ダマシウチ」。
辞書によると、
騙し討ち・・・だまし油断させ、不意に討つこと。
私用語では
ダマスカス(※)を打つ、 鍛接(※)すると言う意味で使ってる。 ≪ダマスカスペンダントトップ≫
ダマシウチ・・・ 「ダマスカスを打つ」 の略語でもあるし。
別々の素材を一つにするいわば、金属を 「騙し」 と 「叩く=打つ」 という行為。
それらの思いを込めて 私用語の 「ダマシウチ」 は使われる。
鍛接は経験を積めば そんなに難しくもないけれど、
油断と一瞬の判断ミスはすべてを 台無しにする。
ダマスカスには魔物が住んでる。 ≪鍛接直後のダマスカス。オブジェ用≫
最近のダマシウチは ほぼ百発百中だったけど、 ここ最近失敗する。
新たな挑戦をしてるから 仕方ないのだけど、
失敗すると、 すごろくでゴール直前に 《スタートに戻る》 が出たような感じで凹む(ρ_;)
やはり鍛接は シビアな技です。
それもそのはず、鍛接技術自体は日本刀を作る技術と一緒なのです。
時々誰かに「教えてください !!」って頼みたくなるけど、
教わって 解決できる事ではないだろう。
ダマシウチの答えは素材そのものと自分自身の中にある。
敗因を頭で考え、
今までの経験を反芻して イメトレして
煩悩を百と九つくらい排除してから、 素直に素材と向き合う。
最大の師は素材、 最大の敗因は自分です。
元来私は、 不注意で トロい人間なのです。
人に教わった事や 与えられた知識は 使いこなせないのです。
自分のペースで悩み 体得した知識だけが私の技術になる。
そうしていると ふと以前、 本で読んだり 人に教わった知識が
ストンと自分に入って来る瞬間がある。
不思議なもんだなぁ。
きっと知識の地点に 自分が到達したのだろう。
≪ダマシウチ≫ にこの生涯を捧げたら
どれだけの答えを得る事ができるのろうか?
(※) 鍛接、ダマスカス、簡単に説明すると、
≪鍛接≫ とは高温に加熱した、金属を重ねて叩く事によって一体化させる技術。
それを何度も何度も繰り返し独特の模様を作り出していく。
そうして作られた素材が ≪ダマスカス≫