男鹿半島の南側、海辺にある赤神神社五社堂。
その美しさと生命感に圧倒された。
前日に見た中尊寺金色堂も、
エーゲ海で見たアクロポリスの神殿も、
ガウディのサグラダファミリアも
ここまでの衝撃はなかった。
形状の美しさはだけではない、
生命感のある建築物 いや、生命感のある人工物って初めて見た。
人の息づく連鎖的生命感ではなくて、人っ子一人居ないのに生を感じたのだ。
あたかも、建物自体が命を持っているかのように。
そもそも、 なんとなく開いた 秋田のガイドブックに小さな写真があって、
ちょっと気になるな 程度の感覚だった。
旅の初日、先日世界遺産に指定された、中尊寺のにどっぷり浸り、
《おまけ》程度の認識で五社堂に向かった。
途中夕日を眺め、五社堂の駐車場に着いた時は既に薄暗かった。
短い旅だから今日のうちに五社堂を見なくては ε=ε=┏( ・_・)┛
おまけだから 時間取れないのは仕方ない。
案内板を写真撮ってみた。 う~んこの暗さと、この道のりどんなもんじゃろか?
なまはげさんが一夜にして作ったという伝説の
999段の階段を歩き出すと、すぐに暗闇に包まれた。
猛ダッシュで階段を上り、 目の前に現れた五社堂に唖然とした。
暗闇にほんのりと白く浮かび上がる社。 うねるように波打つ屋根。
一つ一つの端正な社が 5つ並び巨大なうねりとなっている。
予定変更!!
明日もう一度来よう!!
帰りはライトで足元を照らして下山。
五社堂近くの海辺で車中泊。
さて次の朝、 再びなまはげさんの階段を登り始める。
意外と急な階段ね。
片道20分くらいだが、昨日ダッシュで登った自分の体力に万歳。
なまはげさんは階段作るのけっこう雑みたい(^w^)
宝永7年(1710年)に建てられ300年。10年程前修復が行われたそうだが、
この300年という歳月が自然と建物を一体化させたのだろう。
山も木も空も、5つの社を受け入れている。
社は人が建てたものではなく、 あたかも そこに生まれてきたようだ。
気ままな下草を見ると 一見忘れ去られたかのようでもあるが、
程良く手入れが行き届いている。
何よりも観光客少なさが この空間の荘厳にしている。
自然と人工のバランスが絶妙。
なんともなんとも...
筆舌に尽くしがたい。
そしてカメラも非力だ。
昼見ても夜に負けないくらいの神秘性がある。
前日に見た中尊寺が遥か昔に感じる。
これだよ。私が求める芸術は これだと思う。
沸き上がる生命感。真実味。
うまく表現できないけど
芸術って表面的にしか思えなくなることが多々あるんだけど、
ここには歴然とした根っ子がある。
でも300年前にこの生命感と真実味はあっただろうか...?
多分ないだろう。
思うに、きっとこの五社堂は自然と人、両方に時をかけて育てられたのだろう。
もしかすると今、最高に輝いてるタイミングかもしれない。
(ネットで補修された当初と思われる写真を見たがイマイチだった)
名残惜しい。
振りかえると、木々の合間から五社堂見えた。
私が立ち去ったあと、ココでは何が起こるのだろうか?
八百万の神々がやってくるのだろうか?
半ば人に忘れられかけた、五社堂はあたかも神々のための癒しの場に見えた。
きっとここは神々のペンションだ。
名付けて ≪なまはげペンション≫
赤神様の居場所がなくなっちゃうね。
そんな想像をかきたてる場所だった。
近くに住みたいぞ!!