鏤? Diary Forja-Artistica

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February.11 2008

ハナを紹介します

ハナと出会ってから数年が経つ。

ハナは私の最愛のマシ~ン!!

エアハンマー(鍛造機)。

ハンマーというだけあって、鉄を差し出せば一定のリズムで叩いてくれる。

フットペダルの踏み加減で叩く強さも変わる。

超優れ物。

鍛冶屋の憧れの一品。

鍛冶屋にとって、エアハンマーを買うって事は 意志表示の一つでもあると思える。

「後戻りできません」的な。

そんな象徴的な機械が、エアハンマー。

が、しかし現在日本では製造されてない。

海外では製造されているが、商品の価格と同じ位、関税や輸送費がかかる。

さらに、海外品が壊れてしまうと......。 というリスクがある。

というのがエアハンマー購入事情。

なかなか手に入らないし、手に入れるにはかなりの労力が必要というのが、

憧れの一品の一因だろう。

私とハナとの出会いは突然だった。

前々から エアハンマーを探している事を、あちこちにふれまわって 1、2年過ぎていた。

2005年10月28日

そんな中、私が最も信頼する鍛冶屋の先輩、

筒井哲平さん(http://e-vagante.jugem.jp)から

「中古機械オークションにエアハンマーの出物が出てるよ。連絡下さい。」

と短いメールが入った。

ドキドキワクワクしながら早速電話。

中古機械屋を紹介していただき、そちらから詳細を聞く。

エアハンマーは田端のオークション会場で現物見れるという。

その日はバイトが休みで午後から東京に出ようとしていた。

しかも田端に!! なんという偶然!!

そそくさと田端へ。

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                       <オークション会場にて>

これがハナとの出会いだった。

初対面で「この子は私の所に来るに違いない!!」と強く強く感じた。

オークションは一発入札。最初の入札金で全てが決まる。

会場に居たスタッフや常連のみなさんに探りを入れてみるが、

ここのオークションに エアハンマーの登場は、初めてで、誰も見当が付かない。

しかもオークションは 機械業界の人しか参加できない

筒井さんが紹介してくれた機械屋さんに改めて電話し、オークション代行を依頼。

邪険な扱い(>_<)

よくある事だ。私は女!!しかもどちらかと言えば若い。

相手にされないんだよね★

何回かのやりとりの末、私本人が<買う気のある客>であると気付き、あとは親切丁寧、

一丸となってエアハンマー奪取を試みる事となった。

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                          <入札機械一覧表>

私の持ち金は90万。エアハンマー入札開始金は55万。

悩みに悩んだ。

<2005年10月31日>

おそろしく悩んだ末出した結論が87万円だった。

父から電話がきた

「父さんは 菜々が楽になるならエアハンマーを買う事には賛成だよ。

でも、全財産使ってしまう事に後悔はないかい?不安はないかい?」

大丈夫だよお父さん!!

<2005年11月11日>

オークション。

この機を逃したら 次いつエアハンマーに会えるかわからない。

エアハンマー!! ひたすら信じるしかなかった。「あの子は私の所に来る!!」

夕方、機械屋の社長から興奮気味に電話が来た!!

「取れましたよ!! 十数人が入札して、僅差が4人でした!!

しかも、その中の一人が古屋さんと同じ金額でした!!

それでジャンケンしたんですよ。

私長年オークションしてますが、ジャンケンになると必ず負けちゃうんですよ。

嫌だなぁ 参ったなぁと、思いながらジャンケンしてみたら、勝っちゃったんです!!

勝っちゃったんですよ!!」

社長も大興奮。

私も大興奮!!

 

そうして私の物になった。

数年間 願い続けても、手に入らなかったのに、

その時は全てがストレスなく運び、

ジャンケンをして競り勝つ程、最低限な価格で私の物になってくれた。

運命的としか思えない、この出会いを忘れないために、

87万円という金額からハナと名付けた。

こうゆう事は 私の人生で時々ある。

<機が熟す>のだ。

全ての歯車が噛み合い運命が転がりだす。

私は運命論者ではないが、直感的に

歯車が噛み合う 瞬間を感じることがある。

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