ハナを設置する
運命的落札の喜びは 微妙な不安が入り混じってくる。
なぜならハナのプロフィール。
<1966年生まれ
パワー20分の1トン。大谷機械製>
ピカピカに塗装されてるけど、中身は40歳。
ちゃんと動くのだろうか???
≪2005.11.19≫
ハナがトラックで運ばれてきた。
嬉しさに不安がかき消されて おもわず小躍りしちゃう☆
とりあえず適当に配線してみる。
ドキドキしながらコンセントをさすとグワ~ンと大きな音を立ててモーターが動き
大きなはずみ車がまわりだす!!
わぁいわぁい動くじゃん!!
「動くらしい☆」という情報は「動く」という結果になり実を結んだ。
わぁいも束の間、わぁいは苦笑いへ。はずみ車逆回転してるし。
まぁそんなのすぐ直るけどさ☆
さてどう設置しようか。とりあえずぶっとい角材の上にのっけてみる。
しばらく叩いてみるとキィキィ嫌な音が(>_<)明らかに異常音。
駄目だこりゃあ(>_<)
ハナが悪いのか★設置が悪いのか★
ハナが悪い...それだけは遠慮したい!!
エアハンマーの製造は止めていても 大谷機械は存続してるはず。
大阪の方だったはず。その程度の情報で大谷機械を探し、
エアハンマーの担当者に繋いでいただく。
現状を述べ40年物であることを伝える。
「大丈夫です。うちの機械は何十年経っても壊れません。
設置は鉄筋入れてコンクリート流し込んで万全にしてください。
でないと エアハンマー自体が、壊れますよ。」
その口調には自信とプライドがあった。すげー大谷機械!!
かっこいいよ日本製!!
最近世の中、何を買っても「5年保てばいい方」みたいな風潮だけど
「何十年経っても大丈夫!!」と言い切れる、その美しさ!! 惚れてしまう。
さて大谷機械さんの説明でいくつか困った事が発覚。
工房をお借りしてる立場、コンクリート打つなんて無理だ。
コンクリート打たないで済む方法を考えなくては。
そもそも私が大きな誤解をしていたのだ。
学生の頃、ドイツ製エアハンマーを利用していて、そいつは床に置けばいいだけだった。
<学生時代使っていた ドイツ製エアハンマー>
山梨の工房時代と、先輩の筒井さんは、大谷機械の物を使っているが上下分解式。
ハナは ドイツ製同様に、上下一体式。
だから、「置くだけだろう」と勝手に思っていたのだ。甘かった。
工房を借りてる会社に 迷惑かけないようにしなくてはいけない。
ためしに 重量のある、H鋼で台座を作る。
もしかすると、台座があればなんとかなるかもと思ったのだ。
結果当然、惨敗。
その台座ごと床に溶接してみようと思ったが
ハナの馬力で溶接を引きちぎってしまうだろう。
そんな様子を見ていた社長が「地面より出っぱらなければコンクリート打っていいよ」と言ってくれた。
わぁいわぁい!!
作戦を立てるために筒井さんの所にお邪魔して改めて、エアハンマーと図面を見せてもらう。
面倒くさがらず聞いて アドバイスしてくれる、筒井さん(http://e-vagante.jugem.jp)に感謝!!
筒井さんからいただいた図面で社長と協議してまず穴掘り。
社長がパワーショベルで大体掘って下さり
後は私が手作業。鉄骨を入れて
木枠を組む
≪2006年1月18日≫
いよいよ生コン投入!!
左が社長。この時、社長は体調不良だったんだよね*1
平らに均して、水を吸い取り、数日待つ。
そこにこの前作った台座、衝撃吸収用のバタを置き
ようやくハナを乗せ固定していく。
きちんと設置されたのはハナが来てから2ヵ月程過ぎていた。
2ヵ月の間、この40年物の機械は本当に大丈夫なんだろうか★という いかんともしがたい不安と戦い続けた。
すべてが終わった時ものすごく疲れていた。
そしてここまでやってまた 異常音がしたら、お先真っ暗だよとドキドキしながらコンセントを刺す。
グワ~ンとモーターが周りだす。はずみ車も回り出す。
シャキシャキとエアーを圧縮する音。
しばらくしても異音はしない!!
「うちの機械は何十年経っても大丈夫ですから!!」
本物だね。大谷さん!!
筒井さん、そして社長に感謝!!
でもハナにはもう一つ大きな問題があったんだよね...。
出会いが、運命的だからって すぐ親密になれるわけじゃない。
そりゃ人間だって機械だっておんなじようなもんだ。
*1:+_+
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