鏤? Diary Forja-Artistica

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March.05 2008

山形でサクラマス展!!

サクラマス展というのに参加します。

山形です。

東北芸術工科大学を卒業したクリエイター達63人の作品展です。

OMOTE.jpg

なんとも風流で美しいネーミングです。

山形での学生生活の喜びがよみがえる、ネーミングです。

私が出展を決めたのは昨年の事でした。

でも私は疲れておりました。 無気力無意欲。

どう立ち直ってよいのか、わからずうろうろしてました。

実際はこの状態は1、2年前から徐々に始まってました。

でも相次ぐ仕事、展示会を乗り越えなきゃいけなかったので 気づかないフリしてました。

でも私の心は限界を迎えてしまい、

個展をかろうじて終えると同時に、心が制作の全てを拒否し始めました。

四国、日光、八ヶ岳、伊豆たくさん出掛けました。

気分転換すれば立ち直るのではという望みもはかなく、落ちる一方...。

やる気を出す為に サクラマスに参加することを決意したのですが、回復の兆しはなく...。

自分の中身が空っぽで、空洞な状態なんです。

気持ちを奮い立たせ、鉄に向かうと 作業は楽しくてたまらないのですが、

頭が機能してこない★アイディアも名案も浮かばない。

悩ましい日々が続きました。

しかしながら、鉄をやめようという気持ちはまるでなく、

逆に工房に行かないと、不安にかられました。

どんな状態になっても、私の居場所は鉄と共にあると、強く感じました。

結局私の結論としてはこれは燃え尽き症候群の一種だと思います。

そんな中 色々考えたり、悩んだりしましたが、一つだけ興味を失わなかった物がありました。

ダマスカスです。

鉄を捉え 鉄との会話が、もっともシビアなダマスカスだけは楽しくてたまりませんでした。

この状態で、一つの方法が浮かびました。

自分に素直になろう。

売れることや 個展、展示会で作家としての意義をもたせるのはやめよう。

自分を見つめ直し作る喜びと純粋に作りたいと思える制作をしよう。

これが結論でした。

そんなわけで、サクラマス展に対する準備をすっかり止めて、ひたすらダマスカスを打ち続けました。

鉄に対する感覚が、研ぎ澄まされていくのを感じました。

ダマスカスに期待が膨らみました。

そんなある日、

「そっか!!サクラマス展はダマスカスジュエリーのみで勝負(?)すればいいんだ!!」と気づきました。

それなら新作で!!と思いましたが、アイディアがまるで浮かばない。

みんなはきっといい作品 作ってるんだろうなあ。

また、ひたすらダマスカスを打ち感覚を研ぎ澄ます。

そんなある日、作業をしようと 工房のいつもの立ち位置に立った瞬間、

デザイン&アイディアのスイッチが入りました。

制作中止、お絵かきタイム。

それがサクラマス展搬入の2週間くらい前でした。

作りためたダマスカスのネタをデザインに合わせて更に鍛接、形状を変化させ、仕上げていく。

今までの自分のダマスカスにはない表情が生まれてくる。

作品発送前日は、追い込みで必死。

制作だけでなく、展示の仕方まできちんと考える事ができました。

全てを整え 作品と備品を発送し、バイトへ。

バイトの終わる頃には疲労から、吐き気がひどくボロボロに。

でも新作がなかなかのいい雰囲気になったし。

なによりも、ちゃんと興味と喜びを持って作った作品を発表できることに意義を感じる。

作品は新作と、スタンダードのダマスカスジュエリー10点。

今回 売ることではなく 自分を見つめ直す事を目的として作った作品なので、

お値段も高くなってしまいました。

でもForja Artistica 古屋菜々の苦しみの結晶を見てあげて下さい。

サクラマス展を最後に、展示会や個展などの活動を無期限の停止にさせていただきます。

現在私は、ダマスカスを軸にたくさんのアイディアが生まれています。

自分と向き合い 自分に素直になり、自分らしい作品を作るための時間をとることを決めました。

ダマスカスだけでなくいろいろな事に興味を取り戻しつつあります。

南青山のスペースと代官山のアステリズムでの展示販売は続けます、

また、新作も入れていきますので このホームページ共々

今後ともよろしくお願いします。

サクラマス展についての情報はhttp://www.sakuramasu.jp/

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