鏤? Diary Forja-Artistica

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June.03 2008

≪尊敬≫

先日両親が、久しぶりに遊びに来てくれた。

母が、頑張って作ってくれた 煮物やらなんやらを た~くさん持って(*^o^)乂(^-^*)

この歳になると親の大切さを、しみじみ感じる☆

心配ばっかりかけてんだけどね。

ありがとうございます!!

でも今日の話しは、親じゃないんだけどね。

両親が来てる時に、小さな頃の算数、数学の成績の話しになった。

私は小さな頃から、数字が大嫌いでいつも大いに悩まされてた。

その頃を思いだし 

「あれは、できないんじゃないし、バカじゃないんだよ。

今だからわかるんだけどさ、飲み込みが遅いから、

公式一つ覚え、使いこなすのに人より時間がかかるんだよ、

理解できないうちに次の公式!! 理解して体得しまえばちゃんとできるはずだよ。

でも、学校教育ってそうゆう物じゃないし...」

とつぶやいてた。

すると、母が意外な事を言い出した。

「そうなのね!? Ⅰ先生が同じ事を言ってたわ!!」

Ⅰ先生とは、私が小さい頃 通っていた、音楽院の院長先生だ。

Ⅰ先生は、リトミックを教えてくださってた。

リトミックでは、先生のひくピアノに合わせて、手や足で別々なリズムを刻む。

なんともややこしい。

同時にいくつもの動作をする、というのは瞬時に理解する能力が 著しく低い私には完全に無理だった。

俊敏な子達が、サクサクこなすのを横目にまねっこしてた。

でも、なぜか、私からやめるとは言い出さなかった。何年も続け カリキュラムが終了するまで通い続けた。

10人以上いたクラスは最後3人くらいまで減ってた。

確かに苦痛だったが、人生において、『途中で投げ出すな!!』

ということを 最初に体得し

それが、今の私の長所であり、最大の財産である。

古屋家は裕福じゃなかったし、3兄妹が居たから月謝も大変だっただろうに、

両親は芽が出る見込みもない私を何年も通わせた。 

それが、ず~っと不思議だった。

母は続けて言った。

「教室をやめさせて、あなたを楽にさせようと思って、Ⅰ先生に相談に行くといつも、

Ⅰ先生が『菜々はできないんじゃないんだよ、理解するのに時間がかかるんだよ。

理解してしまえばできるんだよ。

だから本人が言い出さないならやめさせてしまってはいけない。』って言ってたの...。」

びっくりした!!

Ⅰ先生はそこまで私を見ていてくれたのか!!

続けさせたのは、私を尊重したのか、Ⅰ先生は私に音楽を教えようとしただけでなく

子供の長所を見出し、それを本人に体得させていたのだ。

私が、最近ようやく自分は 教育システムの早さについていけなかった人間だなぁ。

と理解したのに、Ⅰ先生は最初から理解した上で私に関わってくれたのだ。

すごく嬉しかった。Ⅰ先生と両親の交流は今でも続いている。

時折話題にのぼり、その人柄と洞察力に尊敬を感じていた。

また、昨年個展にも来てくださり、直接ゆっくりお話ができたので、

Ⅰ先生と奥様が私の中で再認識されつつあった。

しかし、過去にⅠ先生に対する反発やトラウマがあったのは悲しい事実であり、

同時に 解消されていたわけではなかった。

しかし、今回の母の言葉で、

両親、Ⅰ先生ご夫妻の 過去の行動の意味すべてが 結びつくのを感じた。

今までの不信感が きちんと理由づけされ、収まるべき場所に帰っていった。

理解できた事、そして小さな私という人間をきちんと見つめてくれていたⅠ先生に心より感謝したい。

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