鏤? Diary Forja-Artistica

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November.18 2009

<ヘパイストスの贈り物>

東京デザイナーズウィークの際出品した、

<ヘパイストスの贈り物>について。

ヘパイストスはギリシアローマ神話の鍛冶屋の神様。

題名には実はそれほど意味はない。

作りたかったのは全て鉄の座り心地いい椅子。

モチーフは牛の骨盤。

こうゆう立体物はスケッチいくら描いても、現実は想像よりはるかに

困難で、物の成り立ちには起点と終点が確実に必要になる。

絵では起点や終点をごまかせるけど。

だから制作の元になったのはこの下手な絵だけ。

090913_1600~01.jpg

側面の絵もトライはしたけど失敗しました。

どのラインがどこから始まり、どのラインと前後するか、どこで終わるか。

鉄材の太さや抑揚。

鉄材の太さによる可能な、ライン。

すべての決定は実際作りながら。

6ミリの丸棒を 変形させラインの流れや位置関係を決める。

それにより、本番の鉄材のボリュームと形、抑揚を決定する

抑揚を付けた材を 曲げる。

091004_1517~01.jpg

そのラインの間に 鉄板を張っていく。

本来、全体の骨組を作ってから鉄板なんだけど、

途中で作品の写真が必要うになり、ファイスだけを先に張った。

091004_1516~01.jpg

わかったこと、シンメトリーの込み入った、立体を手作りするって

本当に難しい。

ぶっちゃけ、腹が立つ。

重い、堅い、熱い!!

不思議なことに、この椅子は早いうちから

人格を持った。

できあがった作品が、彼らの意志を持ち、私は制作者である意識を無くすということは

珍しくないんだけど。

制作中から、その現象が起こることは今までなかった。

この作品は早い段階で自立してしまい、

私は自分が作ったというより、コイツの意志を尊重したという感覚だった。

毎日制作してるのに...。

できあがった時は、作者と作品というより。

そこにいるソイツとワタシ。

という気分だった。

hpa.jpg

座面となるパーツや背もたれがしなるから

座り心地もいい。

搬出の日、台座から下ろして周囲の方に座っていただいたら

予想外の座り心地びっくりされました。

11.3k.jpg

搬出を手伝いに来てくれた父もご満悦。...かな?

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