鏤? Diary Forja-Artistica

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October.04 2013

鉄の音

昨夜遅く 仕事を終えて、すべての 電気系統を落とした。

工房は静かな暗闇につつまれ、打ち終えたばかりのダマスカスと炉が暗闇で 赤く光っていた。130606_1816~010002.jpgん?音がする...。その場に座り込んで 耳を傾けた、

ペリペリ♪ パリパリ♪ ペリパリ♪

外気にあたり急速に冷える鉄から 酸化膜が浮き上がる音のようだ。

その音を初めて 聴いたのかどうかも 定かではないくらいに、 音と目の前の事象が一致している。

「木の葉がハラハラ落ちる」 という表現があるが それが表現に留まらず 本当にハラハラと音がするような。

何かで鉄は冷える時 音を立てると 読んだ事がある。

それを読んでから 気になっていた鉄の自身の音だが、時間に追われる日々では 消灯と同時に工房を後にしていた。

今回私が聞いた音と 本で読んだ音は別物だと思うが、 鉄に音があることが嬉しかった。

さっきまで 輝いていた鉄はぼ~っと 鈍い小豆色になっていた。

そんな小豆色に向かって、

「君の表情一つ一つは素晴らしく魅力的で私を夢中にさせるよ。 君に出会えて幸せだよ。」と心で呟いた。

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