鏤? Diary Forja-Artistica

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January.27 2021

4年前の御礼を口にしてみた。

先日、健康診断で遠くの病院まででかけたんだ。
健康診断の最初の看護師さんのヒアリングで、お決まりの脊髄腫瘍について聞かれた。

別に健康診断で話す必要無いと思ってるのだけど、背中の手術痕があるから後から聞かれるのも面倒なので問診票には記入してる。
大体当たり障りない問答で終わるのだが、
今回看護師さんの美しさと優しさにほだされて、ふと
「この病院の人間ドックで私の状態の異常さに気づかせてもらったんです」と言ってしまった。
看護師さんが「えっ?どうゆう事ですか?」と。
そらそうだ。
脊髄腫瘍なんて通常人間ドックではみつけられないし、そもそも発見の困難な病気だ。
「あ。腫瘍をみつけたわけではなく自分がおかしいと思いつつ、誰も認めてくれないし、
気のせいと思い込んでいた事を医師目線で心配し、
いくつかの可能性を示唆してくださったんです。」
「どんな先生でした?」
「えーと、女性で50歳くらいの...」
「やっぱり!!〇〇先生。
事情があり退社なさったけれど、素晴らしい先生でした。」
「その後色々検査して、腫瘍がみつかり、数ヶ月後には歩くのも困難になって
すぐ手術になりました。
あの先生がいなかったら私今、寝たきりだったかもしれません。
あれ以来、健康診断は遠くてもこの病院を選び、この病院に来ると先生を探してました。
私の話をちゃんと聞いてくださった御礼言いたくて。」
私の言葉を聞く看護師さんは、とても嬉しそうだった。
私の状態を見て医療従事者としての喜びを感じつつ、
尊敬していた懐かしい人を心の中でもう一度尊敬し直しているような。
少し誇らしさも見える表情だった。
あの先生にはもう御礼は言えないって事がわかってしまったのは切ないけれど、
すごく心が温まる表情だった。

御礼って言いたい相手に言えない事もあるんだね。
でもその宙に浮いた御礼が別の誰かの喜びに繋がる事もあるんだね。
写真は健康診断後のご褒美スィーツ。143233785_3766568760089178_2329970719180352521_n.jpg

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