7月3日
ダマスカスを ガンガン叩いていたら、エアハンマーのハナ なんだか不調。
以前からあった症状で 騙し騙し使用してたけど、 ちょいと騙しが効かなくなった感じ。
その症状は乱打。 スキップするようなリズムで打つ。
なんかどうにかお手軽に直す方法はないのかしら?と指示をあおぐつもりで メーカーである大谷機械製作(大谷機械製作所hp http://www.otani-machinery.com/)、
副社長細見さんにお電話させていただく。
ふむふむと聞いてくださり「そうか、それは一度見ないとあかんね!!ちょっと待っててな」
あらま、 素人に手に負えるものではないのですか...
20分程して 連絡が入る「明日二人車で行かせるよ〜」
「えっ明日?いいんですか?ありがとうございます!!何時頃ご到着ですか?」
「う〜ん車やと何時間かかるんかな?」
「少なくとも8時間はかかるかと」
「そんなにかかるんかい? ほな何時になるかの〜?」と、到着時間が曖昧に話が終わる
私はといえば
「明日?? そんなに早急な対応していただけるとは!!
ということは★
もしや?もしやハナは重症?? お車??? もしやトラック???
アカンってなったら引っこ抜いて会社に連れ帰るのかな?????」 ハイ、無駄な動揺デス(>_<)
しかも、 この日はバイト前に健康診断に車で30分の本社行かなくてはならない。
帰宅して、汗とコークスの煤を流してから本社へ
健康診断で身長が1センチ縮むという衝撃の事実 (◎o◎) 自分の営業所に戻り、仕事。
帰宅は2時半過ぎ
あれ?大谷さん何時にいらっしゃるのかな? 早くて9時かな〜。
7月4日
朝8時10分、「おはようございます。古屋さんですか?」まさかまさかの 付近までいらしてるとのご連絡 (◎o◎)
「私まだ自宅です。すぐ出ます!!」ε=ε=┏( ・_・)┛
8時40分到着。
申し訳ありません。と平謝りなワタシm(_ _)m。
平謝りしながら「お車」がトラックではなくワンボックスであることに安堵する。
さて開始 お助けマン☆NさんとFさん症状からしてバルブですね〜。動かしつつチェック。経年によるパーツのズレが原因の様子。46歳ですから。
部品を外していく。どうやら このバルブ部品の切れ目の位置で エアーの送られるタイミングが変わり、ピストンの動きが変わるみたい。乱打、二度打ちの修正、はたまたスピードや打撃力などを調整できるそうだ。
バラした部品は 11時には元の形に仮留め状態。早〜い (^-^) もう直っちゃうのかな。
試し打ち、う〜んやはり安定してない。
あれやこれやと調整、試し打ち→調整 何度となく繰り返す。
Nさん、Fさんハナの音で他にも気になる音がある ご様子。
私自身も嫌いな音。ピストンが上部で上下していると ゴンゴンと音がする★
クッションが効かずに 直接にピストンが当たってる音だそうな。「ぶつかってても、問題ないのですが...。気になりますね。」《クッション》言われてふかふかの綿を想像したけど、エアークッションだそうな。
このエアークッションを利かせようとすると 動きが緩慢。そのせめぎ合いで調整しているようだ。
とりあえずお昼にしましょう。
Nさんが お昼に細見さんに現状報告。
やはり細見さんは NさんFさんにとっても、もんのすごい存在のようです。
きっと日本一のエアハンマー理解者です。パーフェクトにわかっている唯一の存在かもしれません。
エアークッションの問題についても聞いてくださる。 ふむふむ。やはり上も開けなきゃアカンようです。
さて、午後 開けます!!
実は私も以前に開けようと試みた部分です。サッパリ開かなかった。
ナットを外してから、銅のハンマーで軽くグルッと一周叩く。
コンコンコンコン...プファ〜と持ち上がる。
「ぬけたで〜 空いとる空いとる!!いっぱい空いとるで〜。」
何が 「いっぱい空いとる」 と言ってるのかというと、下のちょこっと細い部分の周りにグルッと穴が空いてるでしょ。これの事。
この穴がたくさん空いていれば ハンマー部分が落下した後の戻りが良くなる(早くなるんだったか、高くなるんだったかな)らしい。 と同時に空き過ぎてると エアークッションが 利きが悪くなるらしい。
「この中上部には ラムネの瓶の中の A玉みたいのが入っていて それが空気の道筋を塞いでエアークッションを作り出すのです。」とFさん。私 ついでにNさんも わっかりやすい説明に拍手 o(^-^)o
2つ残し!! あと塞ぐ方針(◎o◎)
11個あるで (◎o◎) 9個もいらんのですか?(えせ関西弁な私)
大谷さんの 長〜い歴史の中では、 ハナのように穴いっぱいな子も居るようだ。
でも 今時は2個で足りるという方針だそうだ。穴にネジ切って ボルトをねじ込む。
多分途中までネジ切ってるんだろうな、ネジ山がなくなり動かなくなる所までボルトをねじ込んでネジ頭を切ってるのだろう。
新しいパッキンも付けてくれた\(^ー^)/
各所分解すると46年と半年前のパッキンが切れる。そうか、以前私が蓋を開ける事に成功していたらパッキン切れてたんだね。失敗して良かった〜。
ハナのパッキンも昔は青かったのですか?と聞いたら。 素材から違います。 この時代はアスベスト入り。今はノンアスベスト。塞がりました
46歳の割に、傷も少なく状態も良かった、軽く研磨して、油を塗布して 閉めます。 再び調整。
何度か繰り返す。 リズム、スピード、打撃力、ピストンの上昇位置。私の要求すべてを 網羅してくれようとする。
私も ダマスカスを想定し 打点位置を変えながら ハイパワーで叩いていく。
なんか1個欠ける。 欲張りだけど、どれも欠けると困る。
何度も何度も...
「果たして着地点はあるのだろうか? ハナに答えは出せるのだろうか?」お二人とも疲れが見える。
そりゃそうだ、夜を徹して走ってきてくださってるんだ。
しかも空梅雨の狂った太陽が工房のトタン屋根をジリジリ焼き、炉の火も入っている。
少々不安になった時。 ハナの奏でる轟音の中でNさんが手真似で「試して」
真っ赤になった鉄を持って入る。 低い位置、高い位置、一定の踏み込み、強い踏み込み。
「バッチリです!!!」
ハナは最後に すごくさらりと クールに着地点にたどり着いた。
私の言葉と同時にNさんが「よかった〜 よかった〜 ダメだったらどうしようかと思った〜」と崩れる。
細見さんに連絡だ!!と携帯を開く。その背中を見て 大変だったのだなぁと感じた。
そんな様子 この瞬間まで 見せなかったけどね。
私の方は嬉しくてたまらない。 ハナが戻ってきた〜
私も細見さんと言葉を交わす。
「良かったねぇ。 またなんかあったら必ず連絡するんだよ!! 夜中でも構わんよ!!」
この日も 細見さんは どれほど心配していてくれたことか...。
「明日も現場あるので」といそいそとお片付け。 ありがたいやら申し訳ないやら。
でね、Nさん最後の最後に爆弾置いてった。
「あとはモーターの音が心配ですね〜。そろそろですよ。」
「あっやはり、最近気になり出しました。この勢いで一気にメンテナンスしてます。」
お二人これから再び長旅です。出発前に束の間の休憩 すでにお二人とも遣り切った感ありますv(^-^)v
油まみれな 作業着から 私服に着替えて すっかりカジュアルになった お二人帰路につく。結局16時。お昼以外はつきっきりだったし。
感謝☆ 感謝☆ 感動!!!!
Nさんいわく 「エアハンマーは そもそも単純な構造で難しい部品なんてないんですが、こうゆう小さなエアハンマーこそ 設定が微妙で 難しいんです。
でも、万一動かなくなっても、外側のカバーさえあればなんとでもなる!!と副社長(細見さん)がいつも言います。」
そっかぁ〜と納得。 あれ?でも???「外側がそんなに大事なんですか?」
「最近ではこの外側の鋳物を作る技術がなくなりつつあるようです。大きなエアハンマーより小さなエアハンマーのほうがその傾向が強いです。」
ふ〜〜〜む
なんだか感慨深い。
さて次の課題はモーターですよ〜。この時は、 ここがまだ中間地点だなんて思ってなかったよ。
なお、この記事でのエアハンマー構造などに関しまして、私の勘違いや勉強不足があるかもしれません。そのような事が発覚しましたら、速やかに訂正させていただきます。