ダマシウチ


きっと人はそれぞれ 自分用語を持ってると思う。
私の自分用語の代表は「ダマシウチ」。
辞書によると、
騙し討ち・・・だまし油断させ、不意に討つこと。
私用語では
ダマスカス(※)を打つ、 鍛接(※)すると言う意味で使ってる。DSCN4834.JPG                        ≪ダマスカスペンダントトップ≫
ダマシウチ・・・ 「ダマスカスを打つ」 の略語でもあるし。
別々の素材を一つにするいわば、金属を 「騙し」 と 「叩く=打つ」 という行為。
それらの思いを込めて 私用語の 「ダマシウチ」 は使われる。
鍛接は経験を積めば そんなに難しくもないけれど、
油断と一瞬の判断ミスはすべてを 台無しにする。
ダマスカスには魔物が住んでる。090128_1624~0001.jpg                      ≪鍛接直後のダマスカス。オブジェ用≫
最近のダマシウチは ほぼ百発百中だったけど、 ここ最近失敗する。
新たな挑戦をしてるから 仕方ないのだけど、
失敗すると、 すごろくでゴール直前に 《スタートに戻る》 が出たような感じで凹む(ρ_;)
やはり鍛接は シビアな技です。
それもそのはず、鍛接技術自体は日本刀を作る技術と一緒なのです。
時々誰かに「教えてください !!」って頼みたくなるけど、
教わって 解決できる事ではないだろう。
ダマシウチの答えは素材そのものと自分自身の中にある。
敗因を頭で考え、
今までの経験を反芻して イメトレして
煩悩を百と九つくらい排除してから、 素直に素材と向き合う。
最大の師は素材、 最大の敗因は自分です。080612_2019~0001.jpg
元来私は、 不注意で トロい人間なのです。
人に教わった事や 与えられた知識は 使いこなせないのです。
自分のペースで悩み 体得した知識だけが私の技術になる。
そうしていると ふと以前、 本で読んだり 人に教わった知識が
ストンと自分に入って来る瞬間がある。
不思議なもんだなぁ。
きっと知識の地点に 自分が到達したのだろう。
≪ダマシウチ≫ にこの生涯を捧げたら
どれだけの答えを得る事ができるのろうか?
(※) 鍛接、ダマスカス、簡単に説明すると、
≪鍛接≫ とは高温に加熱した、金属を重ねて叩く事によって一体化させる技術。
それを何度も何度も繰り返し独特の模様を作り出していく。
そうして作られた素材が ≪ダマスカス≫


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