日新製鋼ギャラリーでの日新鋼管30周年記念展示会21日までの予定でしたが、28日まで延長になりました\(^ー^)/
遅ばせながら前回予告してた制作過程編です。
前回も書いた通り、今回パイプにしかない表情を探していました。
私が引き出したかったのはこの表情 パイプにしか出せない顔だと思う。
しかしこの表情を出すにはパイプの1角以外を切ってしまうので、果たしてパイプは自立できるのだろうか?
なんせ鉄なので自重があります。
精度がない年老いた高速カッターさんは 角を残すように切れるのだろうか?
上手くねじる事はできるのだろうか?
不安が尽きない。 悩むよりやってみろ。というわけで実験サンプルを作ってみる。
高速カッターさんは問題なくクリア。
耐久性を優先に考えて角を少し多めに残し加熱しひねりを加えてみる。モロモロモロと裂けた。
ふ〜む、私の知ってる鉄とはどうやら勝手が違うようだ。
問い合わせてみると亜鉛鍍金された鋼材は過度の熱を加えると弱くなるそうだ。《火が使えない》ことは確定。
では熱を使えないということは、角を残し過ぎると、ひねりによる金属疲労で亀裂が入る事が予想される。
耐久性と 金属疲労のせめぎ合い ギリギリまで切り込みを入れるしかない。
結局全ては《勘》頼み。言ってしまえば適当です(^w^)
日新鋼管さんはきれいなZAM鍍金の鋼管がお得意なので 鍍金にキズをつけるわけにはいきません。
制作前に ガムテープで全て養生します。切断。 切断の摩擦熱でガムテープが鋼管に焼き付く。切断完了。
焼き付いたガムテープを市販のシール剥がしで剥がす、これがものすご〜く面倒くさいし時間がかかる。
近所のホームセンターのシール剥がし 全て買い占めてしまった。 よしよし(o^∀^o) ここまで順調。
次はねじる作業。
だがしかし、パイプにはキズ付けられないので再び養生。
今回は それほどハードな内容ではないので 緑色の養生テープ☆
定盤に固定し ねじる用の道具で1段ずつ捻っていく。
前評判では この鋼管は堅い材質であること、捻っていくとだんだんと金属が締まり硬化するであろうと言われていたが、硬さも硬化もほとんど感じない。
ただ何段かねじると最初の方の段が元に戻ってしまう。なんちゃらって現象らしいが名前忘れた。
一度ひねりを加えたパイプは変形しているので先程の自作の道具でその戻りを修正することは出来ない。隙間にバールを入れてこじ開けて修正する。
全部ねじったけど、自立不可能 重心がズレてる
しかも、輸送の関係でパイプの長さは1メートル50センチ。理想の作品高は2メートル程。
いかにして高くするか? そして高くなればさらにバランスが悪くなる。
当然ながら最終的な搬送と現地での組み立ても考慮が必要。 問題だらけ。
まずいかにして高くするか?
ここまで熱を使わずに鍍金を守り続けたのだから 加熱を伴う溶接を却下。ジョイントパーツを中に仕込みネジ留め方法を採用。
結局こうゆうジョイント物って単体物の倍の時間がかかる。
でも、時間ないのですよ!! 精度ってなあに!? 全て目分量です。
さて、次の問題は安定と自立。 柱だけでは自立しないが、台座の縁には50ミリ幅25ミリ厚の激重い平板を使う事で安定をはかる。
それでも自立出来ない危険性があるので台座の平パイプ部分の空洞に重りをいれられる構造にした。というわけで台座もジョイント式★ 時間無いんだってば!!!
幸い重りは不要だった。 構造計算なんてしたことがない。
全て目で見て、手で触ってなんとなくわかる、あとは逃げと保険を作る。台座付けたし、自立したよ〜
こんなだから外注できないんだよと 多少反省するけど。 これは性格の問題だから一生治らないだろう。
諸事情でバイトも休めず ε=ε=┏( ・_・)┛ 徹夜もします。 なんでもござれ!!
搬入当日ですら作業は終わっておらず
怒涛の搬入 現場で仕上げ!!2晩寝てない状態でギャラリーからバイトに直行する。
キツかった〜楽しかった〜
3週間みっちり生きたよ ( ̄○ ̄;)
最終日28日在廊します☆
ギャラリー情報
日新鋼管 http://www.nisshin-kokan.co.jp/
日新製鋼ギャラリー http://www.nisshin-steel.co.jp/gallery/
日新製鋼ギャラリー
連絡先:日新製鋼株式会社
〒100-8366 東京都千代田区丸の内三丁目4番1号(新国際ビル)
TEL:03-3216-5566
開場時間:午前9時~午後6時(月曜日~金曜日 ※祝祭日は除く)
入場料:無料